この計画を立ててから4年以上が経ていました^^;)。
この期間、ピラヤをさらに追加して5〜6匹で混泳させていた時期もありましたが、繁殖行動と思われる動きは見ることができませんでした。
ペアができるには、互いが気に入った相手かどうかというのもあるかもしれませんが、そこは人為的にはどうにもできないので、私ができることは、繁殖(というか産卵)に必要な環境を整えることしかできません。
繁殖といえば、よく雄と雌の判別方法が話題になりますが、この計画では、あまり重要視していません。
というのも、ピラニアは、外見上の性的差異の判別が非常に難しい魚だからです。
性的二形について私見を強いて言うと、これまでの解剖の経験上、抱卵している雌は、内臓のほとんどを占めるといっていいほど腹に大量の卵を持ち、雄の精巣(白子)は、雌の卵と比較してかなり量が少ないです。(ちなみに、同じサイズ(体長)での比較ではないですが、ピゴケントルス属の方がセルラサルムス属よりも卵の量が多い気がします。)
この卵の体積の多さをポイントとすると、給餌を2日程度止めた空腹時の腹の膨らみで、ある程度ピラニアの性別の予想はできると思います。
これは、
speedgraphickerさんが掲示してくださっている動画のキャプチャー画像を見ても、この違いは一目瞭然です。
ただし!、この判別法は、水槽の中で十分な餌をもらえているピラニアには適合させにくいものではあります。 特にブリブリに太った肉付きの良いピラニアに当てはめるのはとても難しいです。
また、ピラニアもカラシンの1種ですので、カラシンフックで確かめる方法もあるかもしれませんが、カラシンフックは、顕微鏡で見なければ分からないようなものであるということと、たとえ顕微鏡で見たとしても、どのようなものだったら雄なのか雌なのかの判別が分からず、ピラニアのカラシンフックの標本情報も知らないので、カラシンフックでの判別は難しいと思っています。
なお、
海外のサイトを見ると、デンティクラータだけは尻ビレの形から、科学的に性的二形が認められているようです。この尻ビレの形を自分のピラヤやジャイアントイエローに照らしても、、、全然分かりません。
私はデンティクラータを飼育したことがなく、お店でこんな観点で見たことはなかったので、今後は注意して見ようと思います。
過去に他の複数の人から聞いた「体高があるものが雌」というのについては、抱卵により胃と腸が下に下がることによる腹部の膨らみということからも、決して誤りではないかもしれません。ただ、冒頭の判別方法やこの見方でも、抱卵しているかどうかの判断であって、性別の判断にはなりません。
体色、特に黒色の濃淡による違いは、昼夜や水槽環境で変わりますし、それこそ雄雌関係なく、同じ環境下でもどれ一つとして全く同じ色を発色する個体はいないので、当てにならないと思っています。
黒色以外の体色の違いについては、興味はあります。生物は一般的に雄の方が雌を呼び寄せるため煌びやかであることが多いですが、、、ピラニアに当てはめて判別するのは難しいですよね。ピラニアの体色は、川や沼の環境に併せた保護色だったり、群れを成すための識別だったりする可能性が高い上、地域差や分類上にも入らない種類の差の可能性も大いにあると思います。また、ナッテリーの多くは、10cm前後の幼魚期が最も強く発色したり、ブラックピラニアの多くには、幼魚期にエラ下に赤みを帯びるものもいて、成長に伴って減色していくものもいます。これは、性差というより成長による差ともいえると思います。
結局、本当に性別を確実に判断するには、産卵を見届けるか、腹を割いて確認するか、になると思います。 これではこの計画上ではあまり意味がないですよね。養殖業でもないし。。。
ここら辺の性別判断は、他の人の発見に期待したいと思います!!
ということで、私の繁殖の理論では、雄と雌が両方いる確率を高めるよう複数飼いをし、よりペアができやすい環境を整えることが、産卵までの近道だと思っています。
で、その繁殖しやすい環境がキーになってきます。過去の産卵の話を聞くと、必ず底砂、ウィローモスなどの水草、
speedgraphickerさんのようなサンゴ砂の袋や流木などの障害物の上に産卵しています。産気に我慢しきれず産卵しちゃう個体がいるかもしれませんが、やはり産卵床となるものが必要だと思います。
で、150*90*60(H)cm水槽にある程度厚みのある砂を敷くとなると・・・、糞や残飯の量を知ってるだけに、腰が重いです。。。 だから計画立てても実行に移せないんですよね〜。
また、どうもプレコやポリプテルス(南米系ではないですが)のブリーディング経験者の記事を見ると、繁殖しやすい親選びがかなりのキーポイントになっていて、ワイルドものよりも水槽環境に慣れているブリードものの方が繁殖しやすいとあります。これはピラニアにおいても同じことが言えるかもしれません。
ベアタンクでも産んじゃうやつは産んじゃうんだろうし、結局「運」の部分が占めるのでしょうけど、4年以上の経過を見ても、今の環境では到底産卵もペアリング行動も起こさないでしょう。
とりあえず産卵床になるものを入れないとね。
あとは、やはり水槽下における「乾季」と「雨季」を再現するために、一時的に水換えの頻度と換水量をあげることによる水温低下、PH上昇、ミネラル・不純物濃度の減少(?)等を行うことが重要ですね。これをやると繁殖を促すホルモンがでるのかな??
ちなみに、試しに2週間前に1/2の量を換水して、水温を26℃から22℃から下げて1週間様子を見ましたが、変化はありませんでした・・。環境が整っていない中で1回実施しただけじゃ気が早いので、環境が整ってからまた実施したいと思います。
ちなみに、魚の性的な成熟に関する中枢神経系の関与は他の脊椎動物とほとんど同じようです。
ゲストロン(デンカ製薬(株))、プベローゲン(三共エール)、動物専用ゴナトロピン(イセイ)など、胎盤性性腺刺激ホルモン剤(ゴナドトロピン)を投与、注射してゆくことで魚の生殖力を一時的に高めて繁殖に利用しているようです。これは、医師、薬剤師等医療資格のある人しか取り扱えないらしいので、私のような素人にはムリですね。副作用情報も農水省から出ています、牛ですけど。。→→
こちら。
ということで、超長くなりましたが、今後の課題は、
・ 産卵床となるものを入れる。
・ 偽乾季・雨季を再現する。
・ ピラヤを追加する。
この3点に絞っています。
こんな「もや〜〜」を一人で考えていた矢先、思わず方向性を変えヒュメラリス混泳に走っちゃって(・・・そんで失敗して)、モチベーションがグダグダの急降下中。
posted by sato at 23:06
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